こちらは東日本大震災復興支援・チャリティ小説同人誌『文芸あねもね』公式ブログです。
最新情報や執筆者&内容紹介など随時更新しています。
「女による女のためのR-18文学賞」過去受賞者(+α)で
「少しでも東日本大震災被災者の力になれれば」と話し合った結果、同人誌をつくることになりました。
2011年7月15日より2012年2月24日まで、電子書籍サイト・パブーにて電子書籍版を販売、
その後紙の書籍として新潮文庫に入る運びとなりました。
現在、朗読プロジェクト「文芸あねもねR」も進行中!
【執筆者一覧】
彩瀬まる・豊島ミホ・蛭田亜紗子・三日月拓・南綾子・宮木あや子
山内マリコ・山本文緒・柚木麻子・吉川トリコ(五十音順/敬称略)
■イラストレーション/さやか ■デザイン/山口由美子
※参加者の詳細は「プロフィール欄」をお読みください。
※この企画の成り立ちについては「はじめに」をお読みください。
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映画『グッモーエビアン!』公開中です!
2012.12.30 Sunday | category:あねもね作家のその他お知らせ
こんばんは。豊島ミホです。
昨日から年末年始のお休みに入った方も多いと思いますが、
みなさまどのようにお過ごしでしょうか……?
私は先日、吉川トリコさん原作の映画『グッモーエビアン!』を観てまいりました
(この映画、15日から公開されてるんでかなり出遅れた感あるんですが……
あと、上のリンク先=映画公式サイトは、音が出るのでご注意下さい)。
公式サイトで一目瞭然ですが、大泉洋さんと麻生久美子さんがカップル役を演じ、
他にもびっくり大物女優が思わぬところで友情出演していたりする、
キャストが豪華な作品です。
*
原作は、トリコさんの2作目の同名単行本(2006年刊。現在は新潮文庫より発売中)。
「むちゃくちゃな」家で「まともに」育った中学生のはつき。
彼女の家に、1年半ぶりにヤグが帰ってくる。
はつきが生まれた時から家にいて、でも父親ではない
へたれパンクロッカーの「ヤグ」……。
彼は1年半前、ひとりでオーストラリアに旅立っていた
(辿っていくと、『オーケンののほほんと熱い国へ行く』に影響された+
交通事故に遭って保険金がどかんと入ったというわりとしょーもない理由で)。
そして半年前にアジアをまわって帰るというメールをよこしたきり音信不通。
ヤグはバカで超自由。
そんなヤグを、はつきも、はつきの母・あきも
大好きで(大好きだなんて言わないし確かどこにも書いてないけど)、
大好きすぎるから、いなくなるのが淋しくても、縛っておけなかったのだ。
しかしヤグが唐突に帰ってきて、
あき・はつき・ヤグの3人が再びひとつの家に集ったところから、原作は始まる……
わけですが、あんまりドラマチックなことは起こりません。
愛すべきバカのヤグがいて、心はパンクスで懐の大きいあきちゃんがいて、
そしてふたりの娘として愛情を受けているはつきが、
悩んだり怒ったりふてくされたりしつつ大きくなっていく。
そんな話です。
映画では、ヤグのうざい感が9割増!!
あきちゃんのかっこよさ6割増!!
はっちゃんの美人度5割増!
……ああ、思い出すだにヤグほんまうざいわ……!!!!
原作の、映像に乗らない繊細な部分を落とすことで
ヤグの「無意味にハッピー脳」が強調されたつくりになっているんだな。
でもその分、ヤグの存在というか、
面白いやつがいること、そいつが(はつきの目線で言うなれば)
自分に愛情を持って関わってくれていることのありがたさ? 大きさ……
みたいなものも、強調された作品になっています。
原作よりシンプルになっているけど、また別なところでいい映画!
家族の根幹って、「こいつが好き」「こいつと関わりたい」っていう
単純で強い気持ちだったりするんだな……。
って、ラストのほうでじんわり思ったりしました。
そういう家族で……ありたいものですね……。
ちなみにライブシーンの迫力はすごし!!!
DVDになっちゃうとわからないと思うんだけど、
劇場で観るとほんとのライブを観てるみたいだったよ!
最後のライブシーン(特に1曲目)はなんならヘドバンしたいほどでした!
遅れて公開になる地方の劇場のスケジュールも発表されてきてますので、
ぜひ公式サイトの上映館情報をチェックして
劇場でご覧になってみて下さい。
あ、原作を読んでない方には、「映画の後に原作を読む」ほうがオススメです。個人的には。
原作では、映画よりでっかいことをやっちゃう家族なんだもん!
*
また、『文芸あねもね』執筆メンバーでは
蛭田亜紗子さんの『自縄自縛の私』も映画化され、来年2月から公開予定。
こちらは現在文庫(新潮文庫)が発売中ですので、気になる方はチェックして下さい!
他、前回の更新から新たに刊行された「あねもね」メンバーの新刊は
宮木あや子さんの『婚外恋愛に似たもの』(単行本、光文社)
『野良女』(光文社文庫)
柚木麻子さんの『私にふさわしいホテル』(単行本、扶桑社)
です。『野良女』の文庫解説、私が長年書きたいとわめいていたのに書いたのは柚木!
逃してるものに気付いた方は、ぜひぜひ即ゲして下さい〜。
さてさて、2011年からしぶとく更新を続けているこのブログ……
文庫も無事発売されたのに、いったいいつまでやるの? とお思いの方も
いらっしゃるかもしれません。
しかしなんと、来年はでかい動きがあるんですよ。
ここで第一弾発表しちゃいますと……どん!
リンク先を読んでいただければおわかりの通り、
『文芸あねもね』が、声優・井上喜久子さんと田中敦子さんのお力をお借りして
オーディオブックになります!(配信は2013年春からの予定。)
もちろんこれも、チャリティ企画。
発案は井上さんと田中さんなんです!
なぜベテランかつ人気声優のおふたりと『文芸あねもね』が繋がったか?
というお話は長くなりますのでまた別の機会に……。
また、「文芸あねもねR」はオーディオブック以外にも
朗読にかかわることを企画中です。
「R」は朗読のR……(え? ReadingのR……?)
2013年は、お知らせすることがたくさんありそうなので、
みなさま、どうかしぶとく、このブログを覗きにいらして下さい。
それでは、よいお年を!
(文責・豊島ミホ)