こちらは東日本大震災復興支援・チャリティ小説同人誌『文芸あねもね』公式ブログです。
最新情報や執筆者&内容紹介など随時更新しています。
「女による女のためのR-18文学賞」過去受賞者(+α)で
「少しでも東日本大震災被災者の力になれれば」と話し合った結果、同人誌をつくることになりました。
2011年7月15日より2012年2月24日まで、電子書籍サイト・パブーにて電子書籍版を販売、
その後紙の書籍として新潮文庫に入る運びとなりました。
現在、朗読プロジェクト「文芸あねもねR」も進行中!
【執筆者一覧】
彩瀬まる・豊島ミホ・蛭田亜紗子・三日月拓・南綾子・宮木あや子
山内マリコ・山本文緒・柚木麻子・吉川トリコ(五十音順/敬称略)
■イラストレーション/さやか ■デザイン/山口由美子
※参加者の詳細は「プロフィール欄」をお読みください。
※この企画の成り立ちについては「はじめに」をお読みください。
「あねもねR」新作配信+イベントのお知らせ
2015.02.17 Tuesday | category:あねもねR
年が明けたと思いきや、もう2月も半分を過ぎてしまいましたね。今年も8分の1が経過ということか……。
前回の更新からずいぶん日が経ってしまいましたが、今日はチャリティー朗読企画「あねもねR」のほうでのお知らせです!
まずは新作リリースのお知らせ。
『文芸あねもね』から、わたくし豊島ミホの中篇「真智の火のゆくえ」が本日配信開始となりました。
地の文の朗読&真智の声を担当して下さったのは、浅野真澄さん! 他に、細谷佳正さん、中原麻衣さん、坂巻学さん、木島隆一さんがご出演されています。
私はリリース前に通しで聴かせていただきましたが、実を言うと浅野さんの熱演にちょっと泣いてしまいました……。「ちょっとかよ!」と思われるかもしれませんが、映画化やドラマ化と違って、朗読で読んでいただいているのは完全に自分が書いた文章。推敲しながら何度も読んでいる文章そのままなわけです。普通に考えれば泣かないはず。そこを泣いてしまったのは、多分浅野さんがすごく文章を読み込んでくれて、色々注入してくれたからだと思うんです。朗読はやっぱり「朗読」であって「読み上げ」じゃないなと実感しました。
また、他の声優さんにも台詞部分を読んでいただいたことで、複数人でいるところのわいわいっとした感じが出たり、語りかけの感じが出たり……文字だけの世界とは違った形に仕上がっていると思います(って当たり前か)(当たり前なんだけど、わりとわかっていただきにくいことなような)。出演して下さったみなさま、本当にありがとうございました!
そして「あねもねR」の企画を引っぱり続けて下さっている田中敦子さま、井上喜久子さま、あねもねRスタッフの皆様……立派な作品にして下さり、ありがとうございました!
ちなみに、「あねもね」では私の作品が一番長かったので、なんと2時間6分という映画クラスの大作朗読作品になっています。ずばり言ってしまうと「長過ぎて聴く人の負担じゃないか心配」という気持ちも当初あったのですが、すんなり聴けてびっくりしました。
この大作、なんとかたくさんの方に届いて欲しいと思っています。サイトには試聴もありますので、ぜひ聴いてみて下さい!(追記:「真智〜」に関しては現在試聴データはないようです。失礼しましたm(._.)m。他のあねもねR作品はありますよ☆)
「真智の火のゆくえ」はオーディオブックサイトFeBe(フィービー)さんにて、他のあねもね作品と同じく540円で販売されています。売上から手数料を引いた額が、すべて東日本大震災の復興支援のために寄付されます。あねもねRの作品一覧はこちら!
*
それからもうひとつの「R」関連のお知らせですが……久々にイベントが行われます!
「声優と作家と朗読と。」と題して、「あねもねR」主催の井上喜久子さんと田中敦子さん、それから浅野真澄さんと私。というメンバーで、トークします〜。
3月16日(月)
ラカグ 2F soko にて
開場18:30 開演19:00 20:30終了予定
自由席 2000円
詳しい情報&チケットのご購入はこちらのページをご覧下さい。
(追記:売り切れました! ご購入下さったみなさま、ありがとうございました。)
私は東京でのイベントはおもいっきり初めてです……。文芸あねもね発売時に名古屋でやらせていただいたイベントが今のところ最初で最後です。
が、喜久子さん&敦子さんが司会して下さるので、もう大船に乗った気持ちで、今のところはいますw 収録に立ち会わせていただいたり、おふたりのラジオ(あねもねRがらみの特番)を聴いたりするにつけ、だんだんおふたりのことを……天使だと思うようになってきました……。ああいうお仕事を……長く続けていくにはやっぱり……人柄が大事なんだろうなーと感じるのですよね……。なんかこう……我が身を省みても……ごにょごにょ……。
私は作家を続けられなかったのに、作家と冠したトークショーに出ていいんだろうか。っていうのもあるんですが、足りない作家成分は浅野真澄さんによって補われるという設定にして。がんばります。というか一生懸命作家時代のことを思い出してしゃべりますので、よろしくお願いします。
*
お知らせは以上なのですが、最後に今回の「真智の火のゆくえ」について、少し補足をさせて下さい。
実はオーディオブック版の「真智〜」は、『文芸あねもね』に収録されたものとは違うバージョンになっています。
170枚弱もあった小説を無償で読んでいただくなんて本当にしのびない、と思って、「あねもねR」の企画が動き出して少ししてから、「私のは別バージョンにさせて下さい」と申し出ました。で、最終的には100枚くらい(確か)の原稿になっています。単に削っただけではこうならないので、構成を変えたりエピソードを抜いたり変えたり、色々やっています。収録時間短縮という目的もあったのですが、それだけではなくて……。
「あねもねR」立ち上げ時のイベントで、喜久子さん敦子さんはじめ、声優のみなさんにお目にかかった時に、直接お話しした時間というのはちょっとしかなかったんですけど、なんかこう、「自分の元の感じ」では届かないところがあるなと思ったんです。なんでしょうねーうまく言えないんですけど……。人として間違ったところむき出しの感じ?
読んで下さった方にはわかっていただけると思うのですが、「真智の火のゆくえ」は、盛大に間違っている女の子の話です。その間違いがほんとに育ちすぎて、自分の身にも影響する段階まで行って、やっと、まちがっていたな、って気付く話なんですけど(軽くネタバレだろうか。。。ごめんなさい)。
文芸って、わりとそういう間違いに対して寛大な媒体だと私は普段から思っていて。マンガとかドラマでは許されないクラスの性格が悪い主人公でも、小説なら主人公張れる感ってありますよね。多分、心理描写があるから? あとは、視覚的に凄惨になる場面でも、文字だと書けたり読んだりできる、っていうのとも関係してそう?
だからシャシャーッと「間違いてんこもり小説」を書いてしまったのですが、そういうのが……。
耳から聴くことを想像するとどぎつくなる。し、さっき言った、天使みたいな声優さんたちの世界に……うまく届かないんじゃないかな? となんとなく感じたんです。
なので、ぶっちゃけてしまうと結構ソフトな方向に! 改稿したのです。
でも「やわにした」とか「表面だけなめらかにしといた」って感じではなくて。自分が「ふつう」だと思っているアウトプットを、キツくないか、同じ経験をしてない人に届くか、とか、そういう観点からもう1回点検した、その機会をもらった、という感じでした。
オーディオブックという形態に合わせたことが、結果的には遠くから自分の癖みたいなのを見ることになったという、非常に面白い経験だったんです。
なので、この改稿バージョンも、本当に色んな方のところに届いてくれたら嬉しいなと思っています。
みなさまどうか、これまでリリースされてきた「あねもねR」作品とあわせて、「真智の火のゆくえ」、よろしくお願いいたします。
(文責・豊島ミホ)
前回の更新からずいぶん日が経ってしまいましたが、今日はチャリティー朗読企画「あねもねR」のほうでのお知らせです!
まずは新作リリースのお知らせ。
『文芸あねもね』から、わたくし豊島ミホの中篇「真智の火のゆくえ」が本日配信開始となりました。
地の文の朗読&真智の声を担当して下さったのは、浅野真澄さん! 他に、細谷佳正さん、中原麻衣さん、坂巻学さん、木島隆一さんがご出演されています。
私はリリース前に通しで聴かせていただきましたが、実を言うと浅野さんの熱演にちょっと泣いてしまいました……。「ちょっとかよ!」と思われるかもしれませんが、映画化やドラマ化と違って、朗読で読んでいただいているのは完全に自分が書いた文章。推敲しながら何度も読んでいる文章そのままなわけです。普通に考えれば泣かないはず。そこを泣いてしまったのは、多分浅野さんがすごく文章を読み込んでくれて、色々注入してくれたからだと思うんです。朗読はやっぱり「朗読」であって「読み上げ」じゃないなと実感しました。
また、他の声優さんにも台詞部分を読んでいただいたことで、複数人でいるところのわいわいっとした感じが出たり、語りかけの感じが出たり……文字だけの世界とは違った形に仕上がっていると思います(って当たり前か)(当たり前なんだけど、わりとわかっていただきにくいことなような)。出演して下さったみなさま、本当にありがとうございました!
そして「あねもねR」の企画を引っぱり続けて下さっている田中敦子さま、井上喜久子さま、あねもねRスタッフの皆様……立派な作品にして下さり、ありがとうございました!
ちなみに、「あねもね」では私の作品が一番長かったので、なんと2時間6分という映画クラスの大作朗読作品になっています。ずばり言ってしまうと「長過ぎて聴く人の負担じゃないか心配」という気持ちも当初あったのですが、すんなり聴けてびっくりしました。
この大作、なんとかたくさんの方に届いて欲しいと思っています。
「真智の火のゆくえ」はオーディオブックサイトFeBe(フィービー)さんにて、他のあねもね作品と同じく540円で販売されています。売上から手数料を引いた額が、すべて東日本大震災の復興支援のために寄付されます。あねもねRの作品一覧はこちら!
*
それからもうひとつの「R」関連のお知らせですが……久々にイベントが行われます!
「声優と作家と朗読と。」と題して、「あねもねR」主催の井上喜久子さんと田中敦子さん、それから浅野真澄さんと私。というメンバーで、トークします〜。
3月16日(月)
ラカグ 2F soko にて
開場18:30 開演19:00 20:30終了予定
自由席 2000円
詳しい情報&チケットのご購入はこちらのページをご覧下さい。
(追記:売り切れました! ご購入下さったみなさま、ありがとうございました。)
私は東京でのイベントはおもいっきり初めてです……。文芸あねもね発売時に名古屋でやらせていただいたイベントが今のところ最初で最後です。
が、喜久子さん&敦子さんが司会して下さるので、もう大船に乗った気持ちで、今のところはいますw 収録に立ち会わせていただいたり、おふたりのラジオ(あねもねRがらみの特番)を聴いたりするにつけ、だんだんおふたりのことを……天使だと思うようになってきました……。ああいうお仕事を……長く続けていくにはやっぱり……人柄が大事なんだろうなーと感じるのですよね……。なんかこう……我が身を省みても……ごにょごにょ……。
私は作家を続けられなかったのに、作家と冠したトークショーに出ていいんだろうか。っていうのもあるんですが、足りない作家成分は浅野真澄さんによって補われるという設定にして。がんばります。というか一生懸命作家時代のことを思い出してしゃべりますので、よろしくお願いします。
*
お知らせは以上なのですが、最後に今回の「真智の火のゆくえ」について、少し補足をさせて下さい。
実はオーディオブック版の「真智〜」は、『文芸あねもね』に収録されたものとは違うバージョンになっています。
170枚弱もあった小説を無償で読んでいただくなんて本当にしのびない、と思って、「あねもねR」の企画が動き出して少ししてから、「私のは別バージョンにさせて下さい」と申し出ました。で、最終的には100枚くらい(確か)の原稿になっています。単に削っただけではこうならないので、構成を変えたりエピソードを抜いたり変えたり、色々やっています。収録時間短縮という目的もあったのですが、それだけではなくて……。
「あねもねR」立ち上げ時のイベントで、喜久子さん敦子さんはじめ、声優のみなさんにお目にかかった時に、直接お話しした時間というのはちょっとしかなかったんですけど、なんかこう、「自分の元の感じ」では届かないところがあるなと思ったんです。なんでしょうねーうまく言えないんですけど……。人として間違ったところむき出しの感じ?
読んで下さった方にはわかっていただけると思うのですが、「真智の火のゆくえ」は、盛大に間違っている女の子の話です。その間違いがほんとに育ちすぎて、自分の身にも影響する段階まで行って、やっと、まちがっていたな、って気付く話なんですけど(軽くネタバレだろうか。。。ごめんなさい)。
文芸って、わりとそういう間違いに対して寛大な媒体だと私は普段から思っていて。マンガとかドラマでは許されないクラスの性格が悪い主人公でも、小説なら主人公張れる感ってありますよね。多分、心理描写があるから? あとは、視覚的に凄惨になる場面でも、文字だと書けたり読んだりできる、っていうのとも関係してそう?
だからシャシャーッと「間違いてんこもり小説」を書いてしまったのですが、そういうのが……。
耳から聴くことを想像するとどぎつくなる。し、さっき言った、天使みたいな声優さんたちの世界に……うまく届かないんじゃないかな? となんとなく感じたんです。
なので、ぶっちゃけてしまうと結構ソフトな方向に! 改稿したのです。
でも「やわにした」とか「表面だけなめらかにしといた」って感じではなくて。自分が「ふつう」だと思っているアウトプットを、キツくないか、同じ経験をしてない人に届くか、とか、そういう観点からもう1回点検した、その機会をもらった、という感じでした。
オーディオブックという形態に合わせたことが、結果的には遠くから自分の癖みたいなのを見ることになったという、非常に面白い経験だったんです。
なので、この改稿バージョンも、本当に色んな方のところに届いてくれたら嬉しいなと思っています。
みなさまどうか、これまでリリースされてきた「あねもねR」作品とあわせて、「真智の火のゆくえ」、よろしくお願いいたします。
(文責・豊島ミホ)